ルックバック
何度も意味を確認したくなる作品に出合いました。
チェンソーマンの著者である藤本タツキさんの「ルックバック」です。
アニメ化もされており、私の大好きなharuka nakamuraさんが音楽を担当しています。
アニメはアマプラで見ることができます。
見終わった直後から、こんなにも作品の意図を知りたくなる作品に出合ったのははじめてでした。
それくらい、いろんな解釈が出来る作品だと思います。
物語は、絵が得意な小学生の女の子「藤野」と同じく絵が得意だけど不登校な女の子「京本」が、
小学校の学級新聞にそれぞれが連載するところから始まります。
お互いが会うことなく、卒業を迎え、同じ連載を共にした仲間として、先生から京本の家に
卒業証書を届けてくれと言われた藤野と京本は、そこではじめて顔を合わせることになります。
そこから彼女達の人生はめまぐるしく変化を迎え、やがて藤野は売れっ子漫画家、京本は美大に
進学します。
そこで事件が起きます。この事件をお伝えしてしまうと全く物語が面白く無くなってしまうので、
割愛しますが、この事件を機に、まさしく「ルックバック」、振り返ることの意味合いを藤野は
はじめて考えます。
藤野が出す答えにとても感動したのと、寂しさとやるせなさと怒りと、様々な感情が浮かんできて
結果的に泣いてしまってました。
人生において、「あれはどんな意味があったんだろう?」と振り返る事がよくあります。
しかし、その瞬間瞬間は、意味合いについて考えることはありません。
いつだって、意味は後についてくるものです。
そして、どう捉えるかどうかは、その人次第だってことです。
例えばとても悲しいことがあったとき、意味なんて考えられないほど、
ただただ悲しい現実が目の前を覆うはずです。
時間が経ったある時、はじめて意味について考える機会が訪れます。
振り返るわけです。そこにはたしかに意味があります。
自分が前に進むための意味がきっとあるはずなんです。
生きていれば、途方もない絶望に巡り合ったり、心無い言葉に傷ついたり、
何度も失敗して自分を責めたり、信じていた人に裏切られたり、とにかく生きている事に
マイナスな意味を考えてしまいがちです。
でも、どんな絶望的な状況であったとしても、絶対を打破できる方法はあります。
前提を疑い、あきらめず、仲間を信じ、信じるものに突き進む。
そのために何度も私は振り返りたい。振り返って、大いなる意味を見出したい。
ルックバックはそんな気づきと学びをくれたような気がします。
こんな時代だからこそ、明るい未来を描いていきたいものです。